正気に返る

正気に返ってまた別のものに狂った2022年をまとめる文章を残しておこうかな。

 

2021年7月、田嶋大樹という野球選手を知った私は彼の登板試合で人生で初めて野球の試合を見た。優勝を争うチームの戦いを見るのが楽しくて、いつしか水戸ホーリーホックのホームゲームへは足が遠のいた。それがすべての始まりだった。

 

2022年は楽天イーグルスの試合をほぼすべて見た年になった。キャンプの練習試合・オープン戦・リーグ戦、中継があるものは7月を除いてすべて見た。結果は悔しいものとなったが、知らないものを追いかけた1年はとても新鮮で楽しかった。1番起用されないことチャンスでバントのサインが出たこと5番起用されてそのサインが出たこと、体調が悪いのに先発させられたこと1か月勝利から遠ざかっても飛ばされなかったことなど、怒りの方が多かったけれど、優勝を目指して戦う姿を追いかけられたことはとても楽しかった。特に9月は仙台に行った翌々週に大阪へ行き、その2日後にまた仙台に行った。我ながら狂っていると思うが、それほど夢中になれてとてもいい1年だった。2023年は社会人となってどんな生活になるか分からないものの、機会があればまた仙台に行こうと思っている。ちなみに沖縄キャンプには卒業旅行を兼ねて行き、できればオープン戦も何試合かは現地に行く方向で考えている。

 

さて、別のものに狂った話はこれくらいにして、正気に返った話をしよう。

結論から言えば水戸ホーリーホックから離れた。その要因は上記の通り、別のものに時間と労力とお金をかけた結果、かけられるものが何もなくなったことだが、それとは別に気持ちの変化ももちろんあった。大学生活の半分ほどを普及活動に費やし”水戸ホーリーホックのために”を考え続けた(と私は思っている)が、就職を理由に何もしなくなったとき、張りつめていた糸が切れたかのように「もういいかな」と思ってしまった、没入感を感じなくなってしまった。さらに、そこにいることが当たり前だった存在がいなくなったことや競技面で本気になれるものを見つけてしまったことも大きく影響した。様々なことが絡み合い、水戸ホーリーホックの優先度が低くなった。そうして客観的に冷静にクラブを見つめなおしたとき、今まで見えなかった疑問・不満・不信感が見え隠れしてマイナスの感情が少しだけ出てきた。好きだったものを嫌いになることほど労力を使うものはない。だから気持ちが落ち着くまで離れることにした。

加えて、私がいなくても物事は進んでいくのである。それならばそのとき自分が楽しいと思うことを楽しいと思うままに行動したってかまわないだろうと思ったのだ。所詮趣味だ・義務ではないという悪魔の囁きに身を任せて、私は楽天イーグルスに、辰己涼介と則本昂大に狂うことにしたのである。

 

そういうわけだ。またいつか水戸ホーリーホックと交わる日が来るといいなと思いつつ、何も知らなくて誰も友達のいない世界の心地よさにもう少し浸っているつもりだ。